トタニの「モノづくり」

Episode1-2

整体機でも何でも最初から完全な機械なんてない。
設計も開発も現場から発想するから、
お客様に評価される、まねのできない製袋機が生まれる。

凄腕プログラマー

プログラム開発も現場からの発想が重要なんです(小山)

プログラム開発も現場からの発想が重要なんです(小山)

最新の製袋機は、高速で複雑な動きをセンサーとコンピュータで制御している。その制御プログラムなど、ハードウェアと密接に関連したソフトウェアの開発、製袋機の頭脳を作るのが開発の小山の仕事。後に登場する設計の大西や泉保の言葉を借りれば「苦しい時の小山頼み」、頼りになる凄腕プログラマーなのだ。

最新の製袋機は、高速で複雑な動きをセンサーとコンピュータで制御している。その制御プログラムなど、ハードウェアと密接に関連したソフトウェアの開発、製袋機の頭脳を作るのが開発の小山の仕事。後に登場する設計の大西や泉保の言葉を借りれば「苦しい時の小山頼み」、頼りになる凄腕プログラマーなのだ。

物静かでおとなしい印象の小山だが、驚いたのはトタニの製袋機ですでに組み込まれていたほとんどのプログラムを「解読」しているということ。ソフトウェアの開発は全て一からつくるものだけではない。「ソフトウェアの開発ではすでにあるプログラムに手を加えることも多いんです。難しいのは新たに手を加えると、その影響が必ずどこか他のところに出てくること。事前にプログラム全体の構造を把握しておけば、どこに影響がでるかは予想しやすいし、プログラマー側が“設計者の意図”も理解しておくことができるんですよ。」と小山は教えてくれた。

そんな小山でさえ試行錯誤を余儀なくさせられてしまったのが、設計の大西と共に担当していた「連続パンチ装置」の開発だった。

プログラマー、現場に立つ

「連続パンチ装置」とは、簡単に言えば高速で流れるフィルムを一旦停止させることなく、正確な位置にパンチ穴を開けるという装置。簡単そうに思えるが、1分間に200袋以上の高速で袋を作る高速製袋機では、高速で移動するダーツのマトの中心を、毎回正確に射抜くような精度が要求される。

「実機の開発では、正直作動させてみないと分からない部分は残るんです。まず実機で検証しないと分からないと思われる部分は“グレー”の状態にしておき、機械設計を優先してもらって、実機で検証して最終的にソフトで完成させることもあります。」「連続パンチ装置もその例だったんですが、テスト段階で“現場がえらいことになってるで!”と聞いて慌てて現場に行きました。」そこで目にしたのはソフトを作っている時には思いもよらない現象だった。「連続パンチ装置全体が振動していました。装置の揺れによりダーツのマトを見る目(センサー)も一緒に揺れていたんです。」「さらに装置内にある複数のローラーの慣性力で、フィルムの動きが想定していたものとは異なる動きもしていました。」

技術サービスや設計担当の大西、さらに小山も現場に詰めて、ローラーの軽量化と強度のバランスを探る、プログラムの変更などの試行錯誤を繰り返し、解決策を導き出した。ここでは詳細は省くがその解決策も“意外性”に富んだものだ。小山は言う。「プログラマーも現場に出て実機に触れ、動かしながら観察し、問題を解決するというのはたぶんトタニならでは。トタニの場合ほんとに現場が近い。エレベーターに乗ればすぐですからね。大企業のように開発や設計と現場が離れていないので、みんなが現場から発想する。だから独自の製袋機が生まれるんだと思います。」

大西 祐司(機器設計)(左)と 小山 哲夫(開発)(右)

製袋機を前に、現場で打ち合わせをする大西(左)と小山(右)

設計や開発の担当者も、技術サービスと共に製袋機を前にして打ち合わせをする…トタニでは日常的な光景だ。大きなメーカーでは設計は3DCAD上で行うのが当たり前、ソフトウェアの開発ははるか中国で開発、製品化は製造部門が担当…といった体制が一般的だが、トタニは違う。設計もプログラム開発も現場から発想するから、顧客に評価される、まねのできない製袋機が生まれるのだ。この現場主義を“トタニイズム”と言ってよいのかもしれない。

そして小山や大西が試行錯誤した「連続パンチ装置」が付いた「CT-60D-Q」は、無事デビューを果たした。

特集:「創造的夢中人」エピソード1


このページのトップへ